手術後に安静状態を保つことが必要な人に対する看護は、オムツや尿瓶を使ってベッド上で排泄し、食事もベッド上で摂ります。看護士や介護スタッフは、こうした行為を必要に応じて介助します。
患者が若年者だと、安静を保つ必要がなくなれば、元通りの生活に戻るのが普通です。
しかし、これが高齢者になると、簡単には元には戻らず、寝たきりのままとなり、同じ介護を続けることになります。これは、寝たきりの状態を続けることを前提にしているためです。
寝たきりの状態から抜け出すためには、医療やリハビリテーションによって身体機能改善する必要があると考えられております。
しかし、これらの方法には限界があるため、結果的に、寝たきり状態のままで介護を続けざるを得ませんでした。看護の方法を、介護の分野にそのまま持ち込んでしまったために、長い間、これが正しい方法だと考えられてきました。
ところが、近年、廃用症候群(生活不活発病)に関する研究が進むにつれ、寝たきりの生活を続けたり、寝たきりを前提にして介護をしたりすること自体が、寝たきり状態を助長することが明らかになってきたのです。
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