昔は、ご飯と言えば、米を食べることであった。しかし、終戦後しばらくの間は、米を買うお金がなく、たいていは、麦飯、あるいは、麦と白米を混ぜたものを食べていた。
このため、白米だけのごはんは「ギンメシ」と言われて、正月やお祝い事の時にしか食べさせてもらえない、あこがれの食べ物であった。
それが、いつの間にか、朝食がパンにとって代わり、米は太るからと言って敬遠されるようになった。
日本人がパンを食べるようになったのは、米軍から支給された小麦粉で焼いたパンが、小学校の給食に出されるようになってからだと思う。
日本人の主食を、米から小麦粉を使ったパンに切り替えさせるための、米国の陰謀だと言う声も聞かれたが、その真偽の程はともかくとして、その目的は見事に達成されたといえる。
また、米は太ると言われ出したのも、昭和30年代の頃からだと記憶しているが、これもまた、米離れを加速させてしまった。
おかげで、日本人の米の摂取量は、50年前の約半分に落ちてしまい、これが農業や地方の衰退に繋がって行った。
しかし、本当に米を食べると太るのだろうか。実は、JA全農の調査によると、米の摂取頻度が高い人ほど体重維持ができているそうだ。
すなわち、「お米を食べることは、美容に良い」と考えている人が約半数を占めており、毎日、米を食べる人は、普段からバランスの良い食事を心がけ、その結果、自分の体型への満足度が高い傾向が見られたそうです。
無形文化遺産に登録された和食の最大の特長は、米を主食にして様々なオカズを食べることにあるのですから、栄養バランスが摂りやすい献立であることは間違いないようです。
米を食べると太ると言う呪縛に捉われることなく、米と共にバランスのとれた食事をすることが、農業の再生に繋がるのではないでしょうか。
太る本当の原因は糖質にある